この記事の前提とゴール
この記事は、次のような方を想定しています。
- 社内マニュアルや手順書を書きたいが、「章立てや見出し」を考えるところで止まってしまう
- GoogleドキュメントのGeminiで、まずは骨組みだけ自動生成したい
- 自分の組織でGeminiを使ってよいかを確認したうえで、最小限の準備だけ押さえたい
ここでは、「骨組み(章立て・見出し)をDocs+Geminiで出し、人間が内容を詰める」という一点に絞って整理します。
なお、本記事の内容は、2026年9月24日(日本時間)時点で公開されているGoogle公式ヘルプなどをもとにした整理であり、執筆者による実機検証を前提にした「検証済み手順」ではありません。実際の画面や挙動は、ご利用中の環境で必ず確認してください。
Geminiの仕様・前提条件などは、次のGoogle公式ヘルプに基づいています。
- Googleドキュメントの基本操作・テンプレート作成など:Google ドキュメントのトレーニングとヘルプ
- Gemini in Google ドキュメントで既存文書の形式・文章スタイルを参照してドラフトを生成する機能:Gemini in Google ドキュメントでカスタマイズされたドキュメントを作成する
Googleは、Gemini in Google ドキュメントを利用するには、対象となる Google Workspace または Google AI のプラン、あるいはWorkspace Experimentsなどの提供条件を満たす必要があると明示しています。また、生成 AI 機能のフィードバック送信時には、個人情報や機密情報を含めないよう注意喚起されています。実務での利用前に、必ず自社の情報管理ポリシーとあわせてご確認ください。
最初にDocs+Geminiを使うかどうかの判断表
Geminiを業務で使う前に、自社での利用可否と、マニュアル作成に向くかどうかを切り分けて考える必要があります。ざっくり判断するための表を1つだけ用意しました。
| 状況 | Docs+Geminiで 骨組みを作るか |
補足 |
|---|---|---|
| 社内はGoogle Workspace中心、既存マニュアルもGoogleドキュメント | 候補になる | 既存ドキュメントの形式・文章スタイルを参照してドラフトを作成できるため、レイアウトやトーンを揃えやすい(Gemini in Google ドキュメントの説明)。ただし機密度の高い内容を含めるかどうかは社内規程に従う。 |
| 旧版マニュアルがあり、内容を整理し直したい | 候補になる | 他のファイルを参照してコンテンツを作成する機能により、既存マニュアルを参考にした骨組み案を生成できる(他のファイルを参照する機能)。 |
| Geminiの提供プランに加入していない、またはWorkspace Experimentsの対象外 | 使えない可能性がある | 公式ヘルプに記載の通り、対応プランが必要。利用可否は管理者や公式ヘルプで確認する。 |
| 社外秘情報や個人情報を多く含むマニュアルを作りたい | 慎重に判断 | どの情報をAIに渡してよいか、社内の情報管理ポリシーとGoogleのデータ保護に関する説明(例:Gemini in Google ドキュメントのヘルプにある関連リンク)を確認したうえで決める。 |
Docs+Geminiを使う前に必ず確認しておきたいこと
社内マニュアルは、業務手順や連絡先などの情報を含みやすく、内容によっては機密性が高くなります。Geminiを使う前に、次の2点を必ず確認してください。
- 社内の情報管理・AI利用ポリシー
・「生成AIに入力してよい情報の範囲」を社内規程で確認する
・必要に応じて管理部門や情報システム部門に相談する - Google側のデータ保護・提供条件に関する公式情報
・Gemini in Google ドキュメントの提供条件やソース利用に関する説明(Gemini in Google ドキュメントのヘルプ)を読む
・Googleドキュメント自体の基本仕様や共有方法(Google ドキュメントのトレーニングとヘルプ)もあわせて確認する
ここで「AIに渡してはいけない情報」が少しでも疑わしい場合、該当部分は人手で追記し、Geminiには含めない運用も検討してください。
ステップ1:対象マニュアルと読者を1本に絞る
骨組み作りをGeminiに手伝ってもらう前に、まずは1本だけ対象を決めます。
- どのマニュアルか(例:入社初日のPCセットアップ手順)
- 想定読者(例:新入社員、店舗スタッフ、管理者など)
- マニュアルを読んだあとに読者ができるようになっていてほしいこと
Googleのヘルプでは、プロンプトの書き方として「対象者や目的、目標を具体的に書く」ことが推奨されています。上の3点を決めておくと、後でプロンプトに落とし込みやすくなります。(ドキュメントを作成するためのプロンプトの書き方)
ステップ2:Geminiに渡す素材を整理する
次に、骨組み作成の参考として使いたい素材を整理します。ここでは、Googleドライブ上のドキュメントに対象を絞ります。
Geminiに直接参照させるファイルの例
- 同じ部署・同じフォーマットで書かれた既存マニュアル
- 過去の手順書(見出しスタイルや書式を参考にしたい場合)
- 関連会議のメモや要件定義など、章立ての背景になる資料
Gemini in Google ドキュメントには、次のような機能があります。
- ドキュメントの形式(レイアウト、スタイル、構造)を一致させる
- 文章スタイル(トーンや語彙の複雑さなど)を一致させる
- 他のファイルを参照してコンテンツを作成する
これらを利用する場合は、どのファイルを形式・文体・内容の参照元にするかを事前に決め、Googleドライブ上で分かりやすく整理しておくとスムーズです。詳しい操作は公式ヘルプを参照してください。(Geminiで既存ドキュメントをテンプレートとして使う方法の説明)
ステップ3:Docs+Geminiで骨組みだけ生成する
ここから、実際にGoogleドキュメント+Geminiで「章立てと見出し」を出してもらう流れを整理します。以下は、対応するGoogle Workspace / Google AIプランやWorkspace Experimentsなどで、Gemini in Google ドキュメントが利用可能であることを前提とした一般的な手順です。(Gemini in Google ドキュメントの提供条件)
1. Googleドキュメント側の準備
- Googleアカウントでログインし、Googleドキュメントを開く(操作に不慣れな場合はドキュメント スタートガイドを参照)
- 新しい空のドキュメントを1つ作成する(このファイルに骨組みを出力する)
- 参照したい既存マニュアルや資料を、Googleドライブからすぐ選べるようにしておく
2. Geminiバーからプロンプトを入力する
パソコン版のGoogleドキュメントでGeminiが有効になっている場合、画面下部にボトムバー(Geminiバー)が表示されます。ここに、作成したいマニュアルについてのプロンプトを入力します。
骨組み作成に特化したプロンプトの例:
「新入社員向けの『PC初期セットアップ手順』マニュアルの章立てと見出し案だけを作成してください。対象は営業部の新入社員で、ゴールは『自宅とオフィスの両方で社内チャットにログインできる状態になること』です。見出しレベルと手順の順番を中心に、本文は短い箇条書きで構いません。」
Googleは、プロンプトの書き方として「自然な表現で、対象者や目的をできるだけ具体的に書く」ことを推奨しています。(ドキュメントを作成するためのプロンプトの書き方)
3. 既存ドキュメントの形式・文体を合わせる
社内でマニュアルのフォーマットや文体が決まっている場合は、ボトムバーから次のような機能を利用できます。
- 「ドキュメントの形式を一致させる」アイコンから、レイアウト・スタイル・構造の基準にしたいファイルを指定する
- ツールアイコンから「文章のスタイル」を選択し、文体の参考にしたいドキュメントを追加する
これにより、生成されるドラフトの形式や文体が、指定した既存ドキュメントをもとに調整されます。詳細な操作手順は公式ヘルプを参照してください。(形式・文章スタイルを一致させる方法)
4. 他のファイルを骨組み作成の参考にする
旧版マニュアルや会議メモを踏まえて章立てを整理したい場合は、「他のファイルを参照してコンテンツを作成する」機能を利用できます。
- ボトムバーのソースアイコンから「ドライブから追加」などを選び、関連ファイルを選択する
- その上で、「これらのドキュメントの内容を踏まえて、新しいマニュアルの章立て案を作成してください」といったプロンプトを送信する
Geminiは、指定したファイルの情報をもとに最初のドラフトを生成します。(他のファイルを参照してコンテンツを作成する方法)
ステップ4:AIが出した骨組みを人間の目で点検する
生成された章立てや箇条書きは、必ず人間が点検し、必要に応じて修正してください。Google自身も、生成AI機能では期待どおりの結果が得られない場合があることを前提に、プロンプトの調整や出力の見直しを推奨しています。(Gemini in Google ドキュメントを活用する際のヒント)
点検の観点は、次のようなものが考えられます。
- マニュアルのゴール達成に必要な手順の抜け・重複がないか
- 読者にとって前提知識が足りない章がないか(いきなり難しい操作から始まっていないか)
- 社内ルール上、必ず含めるべき注意書きや免責が抜けていないか(安全・コンプライアンスなど)
- AIに渡すべきでなかった情報をドラフトに含めていないか
この段階では、あくまで「骨組み」が対象です。本文の詳細や具体的な手順説明は、社内ルールや実際の運用に合わせて人手で整えていく前提で考えてください。
Docs+Geminiで骨組みを作るときのチェックリスト
最後に、Docs+Geminiでマニュアルの骨組みだけ作るときに確認したいポイントを、1つのチェックリストにまとめます。自社用に書き換えてお使いください。
- 【社内ポリシーの確認】
- Geminiなどの生成AIに入力してよい情報の範囲を社内規程で確認した
- 不明点がある場合は、情報システム部門や管理部門に相談した
- 【対象マニュアルの特定】
- 一本だけ対象マニュアルを決めた(例:新入社員PCセットアップマニュアル)
- 想定読者と前提知識を言語化した
- 読者が達成すべきゴールを一文で書き出した
- 【参照ファイルの整理】
- 形式(レイアウト・スタイル)の基準にする既存ドキュメントを1つ選んだ
- 文体の基準にする既存ドキュメントを1つ選んだ
- 内容の参考にしたいドキュメントをGoogleドライブ上でまとめた
- 【Geminiへのプロンプト準備】
- 対象・目的・ゴールを含んだプロンプト案を書いた
- 「章立てと見出しを中心に」「本文は簡潔な箇条書き」といった出力の粒度も指定した
- 【出力後の確認】
- ゴール達成に必要な手順がそろっているか確認した
- 読者の前提知識と合わない部分を修正・追記した
- 安全・コンプライアンス上、必要な注意書きが入っているか見直した
- 【公式情報の再確認】
- Google ドキュメントのトレーニングとヘルプで、ドキュメントの基本操作や共有方法を確認した
- Gemini in Google ドキュメントのヘルプで、Geminiの提供条件や仕様の最新情報を確認した
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Docs+Geminiは、マニュアル本文をすべて自動生成するためのものではなく、あくまで骨組みづくりを支援するツールとして捉えると、安全側で使い始めやすくなります。公式ヘルプと自社のルールを必ず確認しながら、少しずつ業務に合った使い方を検討してみてください。
